陰陽五行の話



気と呼吸~意識して呼吸すべし

人々は呼吸できなければ、すぐ息絶えてしまいます。  
人がこの世を生きていくため、生命を維持するのに一番重要なエネルギー(気)の源泉は、空気、水、食べ物です。空気から天の気を、水から水の気を、食べ物から穀気をもらい、その気運で生命を維持します。  
ところが最近は、深刻な大気汚染のため、人々がこの空気を吸うにはとても適しません。このような状況で大部分の人々は、雪上加霜に不安定な生活、不規則な食習慣、運動不足が重なりひどい有様になりました。
しかし生きる為にも息はしなくてはなりませんね。  そこで呼吸を長くしていただきたいのです。すなわち、エネルギー保存法則と経済原理を人体に適応すること。呼吸が長ければ、一度にたくさん吸うことができ、又吸った空気を体内で最大活用し、不必要なものを出すことができます。これがつまり人体エナジーを経済的に活用するということです。

●過食は“正しい呼吸”の障害
すべての人間は生まれたとき深い呼吸、すなわち腹式呼吸をしています。 しかし、どんどん成人になるにつれ、胸で呼吸する胸式呼吸をするようになってしまいます。特に現代人は腰が曲がった状態が習慣化してしまいました。悪い姿勢で長時間仕事をしたり、ソファに長く座ったり。道ゆく妙齢な美人と出会ったとしても、その歩く姿はおおよそ顔と反比例。背筋が曲がっているから首が前に出て膝まで曲がっている。
姿勢の悪さから歩く姿もゆりの花とは言えない…と、こんな具合がほとんどではないでしょうか。 現代人は脊椎(せきつい)が正常でない状態に曲がっている傾向があります。その状態で、どうやって息がきちんと入って、出て行くのでしょう?

いったい正しい呼吸とは何なのかご存知ですか?
いつも瞬間瞬間、意味も解らず呼吸し、ただ食べることにだけ神経を使う“過食主義者”になっていませんか?
過食こそ正しい呼吸の障害になっているのです。 お腹いっぱい食べて呼吸をしてみると、息がきちんと入らないでしょ。

正しい呼吸方法は脊椎を正しく立てて(伸ばして)五臓六腑がそれぞれの位置に安定できるように助けること。そうすれば五臓六腑は安定した位置で私たちの体の消化・吸収・貯蔵・排泄に及ぶ生理作用のすべての任務をきちんと行うことができます。 もし、少し曲がっていたり、傾いて座っていて胃腸や心臓又は肺に圧迫を与えていれば、体の自然な生理作用の循環システムに赤信号が出され、それだけすべてのエネルギー循環が遅くなる。
またエネルギーが遅く伝達されれば、体内各器官に必要なエネルギーをその時に支援できないため、相次いで体はもっと多くのエネルギーを必要とする。正しい姿勢で呼吸することこそ、横隔膜を最大に利用し、肺・心臓に負担を与えず心肺機能を緩和させることができる方法なのです。 正しい呼吸法の習得により、単に酸素量を増やすのではなく、大気中にある源泉的な生命力である気を吸収することに関心を持ちましょう。

呼吸は自然にリズミカルにしなければなりません。
地球が月と太陽といっしょに一定の法則をもって運行しているように自分の吸い込む息と吐き出す息が行われているその瞬間瞬間をよく観察してみればその中に大自然の法則があることがわかります。
絶え間なく反復し循環する呼吸の中に生命と関係していることを強く感じることができます。 吸い込む息は「生」、息をとめるのは「生きている過程」、吐き出す息は「死」です。 今回は自分の呼吸をよく観察し感じてみましょう。