陰陽五行の話



気の流れと鬼神のお話(2)

鬼神のすみか 鬼神はどこにいるか。
鬼神は元気旺盛な陽が勝(まさ)るところを嫌います。陰の勝ったところ、つまり、陰気くさい陰湿なところ。鬱蒼とした藪や洞窟、古井戸、古池、古城、廃古屋、廃寺、倒壊しかかった楼門、渓谷等に住み、釜、皿、食器、臼、筆など道具類や家具から衣服、櫛等の使用品で破損して古く汚れたものにも宿ります。すさまじいのは、土偶や人形や彫像などで破損している状態のものは要注意、鬼神がほぼ間違いなく宿ります。

捨てるに忍びない…何とかしたいけれどその処分の方法が分からないまま放置しているものがあるでしょう?お教えします。ただちに紙・布で包んで手向けをして捨てること。それなりの社寺に持って行くのもよし。人形供養はよくされていますよね。
また骨董品としての値打ちが下がるとしても古書画は虫食いや破損を修理する(勇気いります、はい。)、なお、石像など野原に捨てられているものは決して触るべからず。何をしょいこむやら分かりませぬぞ!

では、鬼神とは
物が化成して鬼神となるという考えで、生物からなるものと無生物からなるものと、二つあります。その生物のうち、最も発生関係の明確なのが人で、他は動物、蟲(むし)、魚類もまた鬼神となります。人間様は危ないぞ!死んだ後その生命は三つに分かれるとされているのです。それが魂と鬼と魄(はく)です。
魂は天に上がり、魄(はく)は地に帰り、鬼は空中にいる。すなわち人間は、死後、天・人・地三才にわたって存在するのだ。この鬼と魄とが生きている人間と交渉を持ちます。 例えば朝鮮半島では祭祀のおり、韓紙に死者の名前を書きその前に膳をおいて海のものから山のものまで大きなテーブルいっぱい載りきれないぐらいのごちそうを並べます。

その時は、死者すなわち鬼魄がその紙に依りついてこの膳の前に座っているものとして祭祀が執り行われるのです。まさに人が食べるが如くに供えの食べ物すべて酒から汁物までを一口分ずつ取り、それらをひとつの入れ物になにもかも胃袋につめるが如く入れ込みます。家で最も重要な祭祀はこの鬼魄に一族郎党うち揃って酒をふるまい、その年の幸を食してもらうことなのです。
また重要なのは朝鮮の風水思想で、この魄がどこの地にどの方向で埋葬され、どのように弔慰されるかが子孫繁栄の鍵を握るのです。充分に弔慰される場合は鬼も魄も満足して散逸する。反対にその祭祀が不十分の弔慰であると魄と鬼の気が凝って鬼神となるのである。怖いですぞ!先祖供養は線香1本では足りないのです。